メトリブダイアリー

お笑い、ラジオ、音楽(主に邦ロック系)などサブカルなことや日常のことを書き連ねる予定です。一人でも多くラジオを聴く人が増えるといいと思ってます。

ニューヨーク単独ライブ「ありがとう」4月21日 進化系ニューヨークをみよう!

ソールドアウトしたはずのある芸人の単独ライブのチケットをライブ当日の一週間前にTwitterで見つけました。

その芸人の名前は「ニューヨーク」。

結成10周年を迎えた彼らの「ありがとう」と題したツアー千秋楽のチケットでした。

※千秋楽といっても大阪で7月に追加公演があるそうです。こちらネタバレを含む記事となっていますのであしからず。

 

ネクストブレイク芸人として数年前から注目されていたニューヨークですが、なかなかTVや賞レースでみることはできず、隠れファンとしては非常に残念に思っているところです。

https://himizux.hatenablog.com/entry/2019/04/15/211130

 

会場は渋谷にある「CBGKシブゲキ!!」。250人程度のキャパがこの日は満員でした。

僕が座ったのは前から二列目。とてもよく見えました。

譲ってくれた方、本当にありがとうございました。

 

17時の開演予定時間を少しすぎた頃、舞台が暗転して、目の前のスクリーンに、楽屋にいる二人の風景が映されました。どうやら生中継のようで、そのまま渋めのハリウッド映画の予告編のような音楽とともにステージに向かってきます。

音楽と映像がなくなり、スーツ姿のニューヨーク二人が舞台に現れました。

 

まずは、二人のトークから。登場時の演出のことや、これまでの公演のトラブル(初日は開場と同時に楽屋風景が映され、BGMにルパンのテーマが流れていたとのこと。結果、登場時に注目されず、反応も微妙だった)などを話して場を暖めた後、そのまま漫才へとなだれ込みました。

嶋佐さんが「情熱大陸」と「ザ・ノンフィクション」に出ている人になりきる漫才で、情熱大陸のテーマに乗せて、「なんでザ・ノンフィクションに出てるようなやつやってんねん!」とツッコミ。

ニューヨークお得意の偏見漫才ですね。

確かにパチプロやフリーターは情熱大陸には出られませんが。。

最後はそんな人たちを「テラスハウス」に出演させるというディスリで締めるというニューヨーク感溢れるオープニングでした。

 

次はコント。引越し屋役の二人が登場し、荷物を運ぶのかと思いきや、最近話題の「バイトテロ」を思わせる行動を始めました。これもニューヨークらしい時事を皮肉ったネタですね。

 

このコントが終了後、舞台転換時に二人の男女がでてきました。

どうやら出会い系アプリで知り合った二人がニューヨークの単独ライブを観に行った後という設定のよう。いきり倒してお笑い分かってます的な雰囲気で、ニューヨークのライブを語る男性にぞっとしました。

なぜなら自分も少なからずそうだから(笑)。

(うわ~オレもM-1に点数つけたりするわ~)

というかこんなこと書いている時点でそっち側の人間ですからね。いきらないように気をつけようとは思っているのですが、、

気をつけます。

 

そんな出会い系アプリで会ったお笑い分かってます系男子とそんな男に狙われちゃう系女子はこの後も転換の度に登場。男は強引に女性を飲みに連れて行き、自分のお笑い論をかざしています。しかもかなり的外れな。。

ニューヨークなんていうマイナーな芸人のライブに来るこの会場のお客さんも僕と同じようにドキッとしているのではないでしょうか。ニューヨークはそんな僕たちをも皮肉っているのではないかという気持ちにもなりました。

気をつけます。

 

その後は意外にもというべきか、最近のニューヨークの流れというべきか、これまでの偏見、皮肉は少なめのネタが続いたように思います。

もちろんそういった要素も入っているのですが、今までのように「女はこうだ」「シェアハウスはクソだ」とストレートにいえるようなネタではありません。

会話やシチュエーションで笑わせるコントも多く、個人的にはバナナマンのような印象を受けました。

 

例えば、ヤクザのネタ。帽子をかぶって現れた下っ端とその理由を聞いて帽子を取らせようとする親分のコントでした。その理由とは髪を切りすぎたからというしょうもない話。何ターンか帽子について話をした後だったので、取れと言われてもタイミングを失ってしまった。今更とることなんてできないというどうでもいいやり取りと、ヤクザならではのシリアスな雰囲気が対照的で面白かったです。

最終的に殺す殺さないという話になり、帽子を取らなかったので拳銃で撃たれまくっていました。

なんかバナナマンでもやってそうじゃないですか?というような細かい心情を描くコントでした。

 

あとは、合コンの男側が二人共初対面のコントがありました。屋敷さんは普通のサラリーマン、嶋佐さんは金髪で眼鏡をかけ、空気の読めないどこかずれた人を演じていました。

こういう人いますね~。

上手く言葉では説明できないですが、変わった人。

初対面なのに「あれ?どっかで会ってますよね?うそでーすドッキリでーす」と言ったり、「ゲームやりましょ。ビー玉3個持っている人います?」と言ったり、「今、僕いくら持ってると思います?」と男だけに聞いて女性には聞かず、答えを言ってしまったり。こんな人いないでしょと思うでしょうが、いそうなんです。

いそうな雰囲気を出すのがすごく上手なんです。

話し方でしょうか。相手の意見を聞かずに、自分の意見だけをマシンガントークのように話す姿が、薬やっているかのようにテンションだけやけに高い大学生みたいな人を現しているのではないでしょうか。

 

今回のライブで思ったのは嶋佐さんの演技の多彩さです。上述したような色々なキャラを演じ分け(あとは人間に寄生する悪者を倒すためにあごがしゃくれた関西人になってしまった秋田出身の15年バイトしている人。完全に亀田次男でしたが。。)ているのが印象的でした。

幕間のVTRでも外国人をナンパするという企画でそこそこ流暢な英語を話していました。めちゃくちゃ断られて最終的にフィリピンパブで彼女(?)を作っていましたが、外国人にも臆することなく、英語で話しかけにいく姿も彼の引き出しの一つです。

 

正直いうと、ニューヨークは屋敷さんのツッコミとトークを中心にネタを構成していると思っていましたが、嶋佐さんの器用さも大きな武器ですね。

今回の単独では、彼の器用さを生かしたネタが多かったように思います。

 

そして、最後は漫才で締め。嶋佐さんが気になっている女性がいるので屋敷さんとダブルデートをしたいという題材でした。ここでも嶋佐さん演じるめんどくさくて、精神年齢低めな男のキャラと屋敷さんの切れ味抜群のツッコミが冴え渡っていました。

最後はその女性が今日のライブに来ているという設定で告白。漫才の中で漫才をするという複雑な構成になっていました。

 

しかしここで終わらないのがニューヨーク。それまで幕間で登場した男女二人の話です。飲んだ後も家までついて来て、上がろうとする男が結婚していることを知っていた女性は男の言動を録音。30万円払えばばらさないとゆすりまでかけていました。

これで形勢は逆転し、男は逃げ帰ることに。

その後、部屋に戻った女性の元には、さっきまで漫才を行っていたはずの屋敷が登場。「単独の後はファンの家行くって決めてるから」。するとそこに相方の嶋佐も現われました。男には不倫をネタにゆすっていたのにも関わらず、自らはニューヨークの二人共に連絡先を渡していたというオチでした。

 

ニューヨークのネタというとなにか裏があるのではと勘ぐってみてしまいます。そのために、いくつかのネタはいつもの偏見や皮肉が少ないなと感じることもありました。

ただ、そんなことを考えず、何の色眼鏡もかけずにみれば、本当に面白いネタばかりでした。

これまでのニューヨークとは異なる新しいニューヨークが見ることができたような気がしました。

偏見や皮肉だけではなく、もっと幅広いこともできるんだよと。

 

こうなってくると幕間で登場した男の方が、「あのネタにニューヨークが込めたメッセージって」と上から目線でしきりに言っていましたが、それすらも皮肉なのではと考えてしまいます。

しかし、そう考えてしまうのもニューヨークの術中にはまっているのかもしれませんが。。

 

なんだかよくわからなくなってきました。

あんまり考えて分析とかしすぎるとあのお笑い語りたがり男みたいになってしまうので、あまり深く考えないようにします。。

 

新しいニューヨークを見ることができて楽しかった!

 

まとめると以上です。

 

10周年おめでとうございます。

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