メトリブダイアリー

お笑い、ラジオ、音楽(主に邦ロック系)などサブカルなことや日常のことを書き連ねる予定です。一人でも多くラジオを聴く人が増えるといいと思ってます。

#このラジオがヤバい 的なやつ〜ラジオ覇王の帰還 佐久間宣行のオールナイトニッポン0 6月16日放送〜

先日、覇王の朝のラジオに出演したトンカツDJ。中学生の頃からの一ファンがファンになったきっかけであるラジオを通じて共演するというおじさんのおじさんによるおじさんとおじさんの夢ラジオが実現した瞬間でした。

その時に今度はトンカツDJのラジオに降臨することを約束した覇王。いつ来てくれるのかなと思っていましたが、遂に今週の水曜日深夜にそれが実現。降臨というより、かつてこの地でこの番組をこの時間帯を担当していた「覇王の帰還としてラジオ業界を揺るがす出来事になりました。

 

 

憧れの人の前で最初から持ちうる武器をぶん回すトンカツDJこと佐久間さん。これまでテレビ業界で得てきた鉄板トークを喋り倒します。もちろん、緊張していたという部分もあると思いますが、面白いって思われたい認めてもらいたいという気持ちが出ていたように思います。

 

早速質問攻めの佐久間さん。

佐「伊集院さんあの当時、なんでもない人でしたよね?」

当時から落語家としての道を歩み始めていた伊集院さんはなぜかオペラ歌手としてオールナイトに出演していたらしいです。

伊「当時の2部に出ているアーティストの方が、だんだん有名になってきて、得体の知れない人がいないとということで。それで伊集院がいいということで抜てきされたんですよ」

昭和から平成に変わる頃にオールナイトニッポンを担当していた当時の伊集院さんを僕は知りません。そのあと色々あってTBSラジオに活躍の場を移すことになるわけですが、オールナイトニッポンには特別な想いがあるようです。
伊「ラジオコントやるときはオールナイトのビタースイートサンバが流れるのは何年頑張ったら変わるんだと思う」
深夜ラジオといえばオールナイトニッポンであり、ビタースイートサンバなんですよね。

 

伊集院さんて話し方とか例えも洗練されていて、個人的にエリートですごい優秀な人っていうイメージだったんですけど実はメンタル弱くて臆病で繊細な人なんだなと感じました。

伊「めちゃくちゃ喋ることあるのに全然うけないこともあるし、5秒前まで喋ることなくて困ってるのに始まってみると火がつくこともあるんだよね」「ラジオやってると伊集院光に殺されると思っていた」「本名の田中としては全然やりたくないことを伊集院にやらされるんだよラジオのために。南海の山ちゃんが言ってたんだけど、元々行きたい旅行にラジオのためだと考えて照れもせずに行くようにするって考えるとスランプがなくなったって。ディズニーランドに行っているというみっともなさをラジオで話せば無敵モードになるんじゃねえのかなと。そっから完全なスランプはなくなったかな。」

これがラジオで長らく覇王として君臨する男の悩み苦しみです。

かつて深夜の馬鹿力を聴いていたのですが、こんなに悩みながら話しているとは思いませんでした。複雑でめんどくさい思考をしているなと感じてはいたのですが、ここまで悩んでいるとは。。

 

のはなしし

のはなしし

 

 

朝のラジオと夜のラジオを担当している伊集院さんはその二つの違いについても語っていました。

伊「朝は性善説で取り組まないと始まらなくて色んなことに違和感感じてもこの人は良かれと思ってやってると思わないとで、夜のラジオって性悪説というか、覇王って言ってんのバカにしてんじゃねえのっていう感じにして話を広げていかないとっていう部分があって。夜は闇みたいなものに共鳴しているんだけど、午前中のラジオって、人のいいおじいちゃんと共鳴しているんだよね。そうするとよく言う白伊集院とか、黒伊集院とかじゃなくて、演じ分けてるんじゃなくて想定している人共鳴してるところが違うと真逆になるから。それが月曜の深夜明けて、火曜の朝くらいはちょっと残るんだよね」

なんか分かったような分からないような。

creepy nutsのDJ松永さんも昼のラジオと夜のラジオをやっていてそのキャラクターは全然違うんですけど、あれも演じ分けているというか相手やテーマが異なるからそれに応じて違う顔に見えるってことなんでしょうか。たまに昼のラジオで夜の感じで返す時があるように思えますがやっぱりどこか違和感を感じます。それはその時間帯に共鳴していないのでしょうか。

 

 

番組終盤では、リスナーからラジオがこうなればいいという想いについて聞かれる場面も。

伊「TBSラジオが開局した頃のインタビューで未来のラジオどうなりますか?っていう問いに、ほとんどの人が映像が出るようになるって答えていて。例えば映画と比べると音だけじゃんていう意識があって、映像がつくって言ってるんだけどこっち側の未来からすれば結局それはラジオとは呼ばれていないわけで。ってことはこれからなにか映像とかがついたときは、ラジオ以外の名前が付き、ラジオは永久にこのままっていう気がしていて。今日も映像をつけてってやっているけど、これがもっと本格的なものになると、別の名前がつき、結局ラジオは音声だけの原始的なものになるのかな」

佐「でもその方がいい気もしますけどね。例えば伊集院さんが何かトンチキな妄想をするじゃないですか。で、こっちもそれを妄想するとなると自分だけの絵になるんですよね」

伊「分かりますよ。落語に出て来る松の木におじやぶつけたようなブスの顔っていう例えがあるんだけどこれはハイビジョンもVRも超えないと思うんだよね」

この松の木に〜っていう例えは何回か伊集院さんから聴いたことがあるんですが久々にこのタイミングで聴くとなんか初めてすっと腑に落ちたような気がしました。

ラジオの真髄のようなものが詰まっているトークです。たまに映像が出ないと分からないような事をしている番組もありますが、あれも聴き手の想像力に任せるラジオのある意味で真骨頂なんですね。TVでは映せない内容をラジオでやるのも、映像がないという特徴を逆手に取ったラジオならではの手法です。


色んな意見を持ち、その影響力はラジオ業界では大きすぎるほどの伊集院さんですが「局の垣根取っ払ってやろうという気にもならない」と話します。
さらに、今回ニッポン放送の番組に出た理由に関しては「好かれたいのといい加減TBSにも飽きてきて」と冗談ぽく語っていました。

「ラジオの未来のために動くのではなく、なんか面白そうだから出てみる」というスタンスらしく、結局そんな時がリスナーも1番楽しめるんだよなぁとも思いました。この日も業界はあきらかにざわついたのに対して、本人達は至って普通のトークを繰り広げていたのが印象的でした。

ラジオの未来のためには先日の民放101局がタッグを組んでという企画ももちろん必要なんですが、前提として当然ですが面白くないといけないんですよね(この前の番組は面白かったです)。

 

それにしても、伊集院さんはとても繊細な言語感覚で細かい人で、心地よいトークを繰り広げるのですが、一方でその真意を理解するのは僕みたいな頭も悪く、言葉の裏を読み取れない人には苦労します。

実際、個人的な忙しさもありますがこの文章を書くのに4日くらいかかりました(言い訳)。

だから本当はもっともっと深い事を話していたし、伊集院さんの真意をどれだけ伝えられているのか分かりません。

こちらもいつも以上に繊細に書くようにしましたが、全然表現できていないのは自分でも分かるのでとても悔しいです。

また、こんな機会があれば是非個人的にもリベンジしたいと思います。

 

 

ただ、ラジオを少しでも聴いているという人は佐久間さんも伊集院さんも知らなくても聴いてみるときっともっとラジオのことが好きになるはずです。

それだけは言い切れます。