メトリブダイアリー

お笑い、ラジオ、音楽(主に邦ロック系)などサブカルなことや日常のことを書き連ねる予定です。一人でも多くラジオを聴く人が増えるといいと思ってます。

#このラジオがヤバい 的なやつ〜プロモーションウィークで大してプロモーションをしないCreepy Nuts 菅田から佐久間まで〜

「よふかしのうた」というミニアルバムが8月8日に発売。一時は制作が追いつかなかったり、収録したラジオが到底世に出せるものではなかったりとその発売自体が危ぶまれたりもしましたが、本人達の睡眠を削ることと、プロデューサー平井さんによるスライディング土下座により、なんとか予定通りの発売に漕ぎつけました。

そして8/5からの一週間はそんな今一番勢いがあって危険な二人組Creepy Nutsがとにかくラジオに出演しまくる労働基準法一切無視の地獄のプロモーションウィークです。特に自身もレギュラーを務めるオールナイトニッポンは月曜日から水曜日まで一部二部共になんらかの形で関わっています。もちろん、アルバムのプロモーションを兼ねて出演しているのでそのアルバムの話をするかと思いきや、全然違う話がほとんどでした。だから、同じ話を別の番組ですることが少なく、どの放送も新鮮な気持ちで楽しむことができたと思います。

 

 

【月曜日】

まず、月曜日のダースースダダースこと菅田将暉オールナイトニッポンでは、4週ほど前から巻き起こっている菅田対R-指定の番組内でのミスからお互いへのディスを経て、最終的に一緒に曲を作ろうという話まで発展。しかし、先週までは、「オールナイトニッポンという巨大なマッチングアプリで知り合っただけの状態やから。オレヤリモクはイヤなんよ。ちゃんと正式に合って、結婚を前提としたお付き合いがしたいから。ハハハハ」と菅田さんはいつもの明るく乾いた笑いとノリの良い関西弁で今回の件をマッチングアプリに例えて表現していました。

そしてそれを受けて今週遂に両者が対峙。「ラッパー日本一」のR-指定さんと」日本アカデミー賞最優秀俳優」である菅田将暉さんに囲まれた「一般人代表」のDJ松永さんが吠えに吠えまくる展開もあり、同世代三人は仲良く話していました。

ちなみに今月にはDJの大会があり、ナーバスになっている松永さん。優勝してほしいけど、優勝してほしくないというような複雑な心境ですよね。

この三人が同じ高校だったら、一年菅田さん、二年Rさん、三年松永さんということになるはず。彼らと同世代の僕にとっては同じ学校入って、友達になりたいと思わずにはいられない放送でした。

 

 

結局のところ詳しい曲作りに関しては三人だけで話すようですが、とりあえずこのゆとり世代夢コラボは実現しそう。楽しみです。

 

 

【火曜日】

火曜日にはアルコ&ピースD.C.GARAGEに出演。かつてはバチバチの関係だった松永さんと酒井さんですが、現在はその熱もすっかり鎮火しており、この日はHIP HOPのことや日常のことなどのトークがメインとなりました。そんな中でも平子さんのいわゆる「平子り」は全開で、なんなら若手のホープに力を見せつけてやろうといわんばかりのかかり具合でした。

しかし、今のクリーピーの勢いはそんな衰えかけたような必殺技など無力。終始平子さんのペースにはならず、終焉を迎えてしまいました。これが、名門ソニーが生んだお笑い第7世代で霜降り明星並みの勢いを持つ彼らの力です。

 

 

 

そして、その後は星野源オールナイトニッポンにもゲスト出演し、本丸であるCreepy NutsオールナイトニッポンZEROへ。地獄のプロモーションウィーク真っ只中であり、「休ませろ」「なんやこのスケジュールは!」と文句タラタラな放送になるかと思いきや、案外いつも通りの放送でした。ただ、ジョージアを「ぷはー」と飲むだけのくだりや「おいいちね~ん声だせ~」「そんなもんか~」「去年の一年は10枚買ってたぞ~」「オレらの時は20枚やったぞ~」というアルバムの購入枚数を部活形式で促す謎のくだりなど「疲れてはいるんだろうな」ということは伝わってきました。本人達も「途中から何の話してるのかわからんくなってきた」と話していましたが。

テレビにも活躍の場を移しつつある彼らは稼働過多で確実に疲れています。

 

 

【水曜日】

そして水曜日。松永さんがレギュラーを務めている「ACTION」にRさんもゲスト出演し、日本語学者の飯間浩明さんと共にCreepy Nutsの歌詞を解剖していました。今回発売する「よふかしのうた」に収録されている楽曲の歌詞がどんな意味を持っているのか、どことどこで韻が踏まれているのか、この歌詞にはどんな意味が隠されているのかなど、飯間さんの分析にRさんが答えるというまさしく歌詞の解剖でしたね。ぜひこの放送も聴いてほしいのですが、こんなに何重にも意味がかかっているクオリティの高い歌詞を書いていれば納期も遅れそうになりますよ。HUNTER×HANTERの作者富樫さんもジャンプでは特別扱いをされています。それは例え次の話が半年遅れても確実に面白いから。

改めてRさんが天才だということに気付かされました。

 

 

飯間さんとRさんが3つくらい上の次元でやりあっているとき、一般人代表松永さんは「じゃ一回CM行きますか」「その曲を聴いてもらいましょうかね」と単なる進行役に徹していましたが、そんな彼もこの番組の前半で、HIP HOPに対してのアツい想いを語っていました。

松「HIP HOPというのは文脈回収なんです。今回の『よふかしのうた』自体にその文脈回収がふんだんに盛り込まれているんです。オレは学生のころからカーストの上でもなく、下でもない真ん中にいたんですね。だから、上のカーストに対する劣等感も感じていたし、下のカーストには落ちたくないとも思っていた。しかも下のカーストの人たちほど自分の世界も持っていなかったので常に人の目や評価を気にする人間だったんです。そんな時、オードリーがオールナイトニッポンを始めて、自分も深夜ラジオ好きだったんで聴いてみたんです。そしたら若林さんの語っていた芸能界という社会に出てみて感じた悩みや不安が全部オレが感じていることだったんですよ。それからもう毎週欠かさず聴くようになって。それでRとユニット組むってなったときに名刺代わりの一曲を作ろうということで若林さんと山里さんのコンビ名である『たりないふたり』を曲にしたんですよね。そしたらそれが縁で山里さんのラジオで流してくれたり、若林さんとご飯を食べるような関係になったりして。で、オードリーのラジオにも何回も出演させてもらうようになってっていううちに、若林さんからオードリーの武道館公演の曲作ってよって言われたんですよね。それで書いたのがこの『よふかしのうた』なんです。深夜ラジオで得た原体験を歌詞にして作らせていただきました。これがHIP HOPの文脈回収です。それでは聴いて下さい」

と言われて聴いたよふかしのうたは格別でした。どうしようもない自分を肯定もしてくれないけど、否定もしない。松永さんがよく語っている日常からの「逃げ場」として受け入れてくれる場所なんだなと改めて感じることができて、プロモーションウィークを利用してしつこいほど流れているこの曲で初めて感傷的な気持ちになりました。

 

 

そして深夜には佐久間宣行のオールナイトニッポンZEROへ。この二組の絡みは今年から始まりました。ただ、そうとは思えないほどこの半年で色々なことが巻き起こり、今ではすっかりお互い分かり合える関係に。

この日も43歳のサラリーマンならではの仕事の話などかなり深くトークを繰り広げ、アルバムのプロモーションは完全にそっちのけでした。

R「HIP HOPはこの仕事やるとダサいとかあるんですけどオールナイト始めてからとりあえずやってみようって思うようになりましたね。なぜならラジオで話せるから」

松「しかも文脈とかも作れるし」

佐「オレたちは岡村さんのラジオをそうやって聴いてたのよ。東京でダウンタウンと絡んですべったみたいな話をオレらは楽しみにしてたから」

松「自分が更新してる、成長してるって常に言ってかないと」

佐「それは若林のやり方だよね。若林は現状を全て出してるから、だから女優と付き合ってるって言ってもファンからなんか言われることもないし。でも山ちゃんは守ってきたから怖かっただろうな」

松「だから若林さんはホントにHIP HOPだなって思うんですよ」

佐「ホントだよね」

R「ドキュメント型の」

佐「オレ若林があんな生き様芸人だと思わなかったもん」

いい話です。本当に。

 

先にも書きましたがこのラジオで彼らはプロモーションをほとんどしていません。というか、全ての出演したラジオでプロモーションらしいことはほとんどせず(ACTIONは例外)、各パーソナリティと仲良く話していただけ。それだけクリーピートーク力が凄まじいというのはありますが、ここまで色んな人の番組に出演できて、一つ残らず面白くて楽しいと感じるのは彼らの人柄とそしてバランスの良さも挙げられるのかなと。

松永さんが暴走したらRさんが止めて、Rさんがミスをしたら松永さんがフォローするという図式が出来ているからどんな番組でも安心して聴くことができるんだと思います。

 

 

しかし今週は本当に楽しませてもらいました。プロモーションウィークの今週は水曜日までとは言わず、木曜日も金曜日もそして土曜日もオールナイトニッポンに出演してください。