メトリブダイアリー

お笑い、ラジオ、音楽(主に邦ロック系)などサブカルなことや日常のことを書き連ねる予定です。一人でも多くラジオを聴く人が増えるといいと思ってます。

かが屋のオールナイトニッポンZERO 〜誰も傷つけない笑いに対するかが屋のアンチテーゼ 2月15日放送〜

かが屋がプチ炎上しています。2月15日に放送されたかが屋史上2度目のオールナイトニッポンZEROでその事件は起こりました。

 


前回放送時には冒頭から賀屋さんが瀕死の状態に陥り、加賀さんが一人で泣きながら放送するというリスナードッキリコントを仕掛けていました。もちろん、コントなのでその後しばらくして賀屋さんはヘラヘラと出演していましたが、コント好きなかが屋らしくて、オール茶番で人気を博したアルピーのオールナイトニッポンを思い出させるような内容でした。
そんな、前回の反省などをこの日はオープニングトークで話し、
賀「前回はオレ、タイトルコール言えなかったからね」
しばらくわちゃわちゃし、
加「かが屋オールナイトニッポン!!」
と加賀さんが一人でタイトルコールを叫び、賀屋さんも「くりぃむさんのオールナイトじゃないんだから」とツッコミます。

この日は「バレンタインの悲喜こもごも」という地方で車を運転している時に流れる昼間のFMラジオのようなテーマでメールを募集。有名はがき職人から面白エピソードが次々と送られてきます。そしてTwitterでも別の有名ハガキ職人たちがそのエピソードに対して「いい話だな」「タイムフリーでもう一回聴かないと」というようなツイートをし、それを番組内でも紹介。なんともアットホームで優しい時間が土曜の深夜3時に流れていました。

 


このあたりで違和感を感じ始めた人も多いでしょう。
いつも聴いているハガキ職人の皆さんってこんなにバレンタインのベタな面白エピソードを揃いもそろって持ってるんか?
そしてそのエピソードに対して、Twitterで別のハガキ職人さんたちがこんなに反応するっておかしくない?
特定の人しかツイート紹介されてないけど。
そしてみんな同じようなツイートをしているな。。

 


その疑惑はリスナー(偽)がラジオ内でプロポーズをしたいという企画で確信に変わっていきました。
電話口でプロポーズをした男性は見事、その場で成功。
かが屋の二人が「おめでとう!」と声をかけると
男「ありがとうございます。うれしいです。ラジコのタイムフリーで何度も聴き返したいです」
女「私もうれしいです。ラジコのタイムフリー機能を使って必ず聴き返します」
と、二人はまるでAIロボットのような受け答えをしていました。

 


また、かが屋が意味わからんコントやってるよ・・これはなんなん?
僕は素直にこう思いました。
その後、開始1時間程度で“過去の”かが屋の二人から説明がありました。番組開始の数時間前に収録したかが屋のネタばらし音源が挟まれます。
賀「僕がね、作家の方とこのラジオがレギュラーになるにはどうすればいいかって話してたのよ」
加「うん」
賀「そしたらさ、レギュラーになるためには3つ条件があるっていうのよ」
その条件とは
① Twitterでの反応が良い
② ラジコのタイムフリーで聴いている人が多い
③ 人を傷つけない笑いを実現できる
この3つだと言います。
この条件を満たすため、ひいてはオールナイトニッポンのレギュラーを勝ち取るためにかが屋はリスナー工作員を雇い、“ヤラセラジオ”を作り上げたのです。

 


まず①では、番組冒頭から積極的に#かが屋ann0で呟くように呼びかけ、影響力の大きい有名リスナーを雇い、じゃんじゃんツイートさせていました。
次に②。そのツイートの内容を「ラジコのタイムフリーで聴き返さなくっちゃ」とさせたり、プロポーズが成功した偽リスナーに「ラジコのタイムフリーで何度も聴き返します」と発言させたりすることでリスナーにタイムフリー機能、エリアフリー機能の存在を刷り込ませます。
そして③は放送内容です。バレンタインデーの悲喜こもごもなどというおよそ令和の芸人の深夜ラジオでは考えられない優しいテーマで暖かい番組を作り上げていました。
レギュラー獲得のために完全にダークサイドに落ちたかが屋に対して、Twitter上では非難の声が多数上がっています。

 


でもこれってある意味①の条件を満たしているのでは?炎上商法という言葉がありますがこれはそれに近いものを感じます。
そして、炎上して話題になれば「え、そんなに酷かったの?」と色んなリスナーが聴いてみようとなります。
凡庸な内容より、炎上した放送が好きなのです。これでタイムフリーで聴く人が増えますね。
しかも、このヤラセラジオの上手いところは、番組開始の午前3時から4時まではヤラセラジオを行い、4時からの30分間は過去のかが屋からの答え合わせ。次の30分でネタばらし後のかが屋の反応を聴くことができます。
土曜日のオールナイトニッポンZEROは開始1時間で一部地域が、1時間30分でニッポン放送での放送が終了します。そのため、プレミアム会員に限りますが、ネットしている地域を探してフルで聴かせるようにと誘導しているのです。あえて続きが気になるような終わり方で。
姑息な手ですが、僕も北海道のラジオ局からタイムフリーで聴いてしまいました。。そして、ミステリードラマのようにすべてが分かった状態でもう一度頭から聴きたいと思う心理も分かります。思う壺です。これで実質①に続いて②クリアです。

 


そして③ですが、これに関しては別枠です。実際この放送を聴いて傷ついているリスナーは多いと思います。多分ですが、有名リスナーと結託しちゃったところが良くなかったのかなと。結果的に本来同じ立場であるはずのリスナーにカーストを設けることになってしまったことでショックを受けてしまった人もいるのではないでしょうか。 

 


ただ、最近よく聞く、“人を傷つけない笑い”とはなんなんでしょうか。オードリー若林さんは「それどういうこと?世界中の人に傷つかないか聞いてほしい。言うのであれば比較的人が傷つきづらい笑いにしてほしい(ニュアンス)」と言っていました。正直それは極端すぎるだろと思いましたが、そんな笑いなんて存在しないよと言いたいのでしょうか。
この日の放送でも加賀さんが「そんな言葉が生まれること自体がおかしい」「傷つく、傷つかないの前に面白いがないと」と言っています。

 


世間のかが屋のイメージは「人を傷つけないオシャレでセンスの良いコント師」といったところでしょうか。
キングオブコントの決勝で見せたプロポーズをするために、カフェで彼女を待っている男の哀愁漂うコント。例えば同じような状況を経験した人がこのコントを見た時、その当時を思い出して悲しい気持ちになる可能性は大いにあると思います。
極端でめんどくさい若林理論ならこの時点で人を傷つけないの部分は破綻です。

 


つまり、なにが言いたいのかというと、、、この放送は人を傷つけないというレッテルを勝手に張られていた優等生かが屋のある種のアンチテーゼなのではないかと思いました。
オレ達はそんなものは目指していない、自分たちが面白いと思うものをやるだけだ!と。
もちろん、僕が勝手に思ってるだけなのでかが屋の二人がどう思っているのかは知らないですけど。
ついでに言うと、数字ばかりを追って番組の内容を知ろうとしない上層部へスタッフの皮肉と反抗でもあったのかもしれません。

 


そんな世間からのイメージを自分たちの好きなコントに織り交ぜて変えていき、同時に①、②を実現させてオールナイトニッポンのレギュラーを目指す。そんな流れになっているのかなと思ってしまいました。
これでレギュラーになったら「あの時の成果が出た」「ヤラセラジオ万歳」でヒールになり、リスナーの反抗材料になるし、なれなかったら「ヤラセまでしてレギュラーなれないのかよ」とまた単発で吠えることができます。
え、これどっちにしてもおいしいじゃん。

 

「人を傷つけない話し方」の上手い人下手な人

「人を傷つけない話し方」の上手い人下手な人

 


やり方は確かにもっとうまい方法はあったかもしれません(あえて炎上させるにしても)。が、今回の放送はかが屋とスタッフの勇気ある主張と抵抗として僕は解釈しました。
ラジオはテレビでは見れない素の姿が垣間見えるメディアだと思っているので、ダークサイドかが屋が4月以降も聴けるかどうか・・僕は楽しみにしています。

霜降り明星後枠ダービーでも2位に予想してますし!

 

霜降り明星のオールナイトニッポンZEROって4月以降も継続するの?しないなら誰が後釜になってほしいか独断で考えてみた。 - メトリブダイアリー


あ、でも最後のプロポーズはちょっと意味わからんでした。。