メトリブダイアリー

お笑い、ラジオ、音楽(主に邦ロック系)などサブカルなことや日常のことを書き連ねる予定です。一人でも多くラジオを聴く人が増えるといいと思ってます。

30になった途端、2つの夢を叶えた生き様DJと伏線回収MC 〜Creepy NutsのオールナイトニッポンZERO 9月8日放送〜

「この歌でMステに出るぞ!」とDJ松永さんが高らかと宣言してから、数週間。Mステのスタッフがたまたまその時の放送を聴いていたという理由で先日、見事初出演を果たしたCreepy Nuts菅田将暉さんという超絶強力なブーストをつけていたとはいえ、彼らの夢がまた一つ叶った瞬間でした。

 

 

Mステ出演はかねてから事あるごとに語っていた夢だったので、ネット上のファン達は我が息子が出演するかのように緊張とワクワクが入り混じった雰囲気を醸し出していました。僕も仕事を早く切り上げて、真っすぐ家に帰り、食事なども済ませ、アルコール片手に万全の状態でその瞬間を待ち望んでいました。

 

そして彼らは初登場ながら、持ち味をこれでもかというくらい発揮します。松永さんはDJであるにもかかわらず、持ち前のトーク力で、菅田さんとのエピソードトークを早口マシンガントークで喋り倒します。すると、アナウンサーの方から「話は尽きませんがそろそろ・・」と大人の対応をされる始末。「まだまだ話すことあるんだよ!」と後のラジオで吠えていましたが、あの誰も入らせない暴走トークは“ザ・DJ松永”でした。

 

 

そしてR-指定さんです。Mステ出演前のラジオでは、他のラッパーを引き合いに出し、「歌詞間違えるとかはないから」と、丁寧にふっておいて、しっかりと歌詞を間違えます。さらに、事前の「木村(アドリブで歌詞をMステ~などに変えること)やりたいな」という発言通り、今度は“わざと”歌詞を変えるという離れ業をやってのけたのです。長いMステの歴史の中でもガチの歌詞間違えとアドリブでの歌詞変更を同時に行った人はそう多くないはず。伏線回収と文脈回収を同時に行う、これぞまさしくスーパーHIP HOPPERでした。RさんはMステ後のオールナイトニッポンでも松永さんやリスナーからゴリゴリにいじられていました。

 

 

しかし、この日のラジオは残念ながらそんな二人のMステお茶目エピソードを長々と語る時間はありませんでした。松永さんが敬愛を通り越して、彼のためなら犯罪以外はなんでもすると豪語するオードリーの若林さんがゲスト出演するからです。リトルトゥースも認めるリトルトゥースである松永さんはオードリーのラジオに出演したことはあるのですが、自身の番組にほぼ神的な存在である若様を呼ぶのは異常に緊張したようで、「頻繁にご飯とか一緒に食べてるのに今までで一番緊張した」と語っていました。短期間で夢叶いすぎです。

 

 

先日放送された盟友・サトミツさんのラジオにゲスト出演し、ほとんど誰もついていけていない日本語ラップ愛を語っていた若様と、この日は熱いHIP HOPの話をしようと息巻くCreepy Nutsの二人。昔からオードリーのラジオを聴いてきた人なら若林さんが日本語ラップを好きということは周知の事実かと思いますが、先日のサトミツさんとの放送やこの日のCreepy Nutsとの話を聴くとその知識量が圧倒的で若干引くほどということを思い知らされます。若林さんは一時期、くるりチャットモンチーアナログフィッシュニルヴァーナなどバンドの話をちらほらしていた記憶があるので、オルタナ系のロックバンドが好きなのかなと勝手に思っていましたが、その思いは簡単にひっくり返されました。もちろん好きなんでしょうが、多分レベルが違います。レべチです。

 

 

若林さんがすごいのは今の曲もしっかり聴いているということです。この歳になれば肥大化した過去の想い出で懐古厨と化し、あの頃の曲がやっぱり良かったとなりがちなのに、今のシーンもしっかり押さえているのです。アラサーの僕らでさえも、「オレンジレンジ最強!」ってなるのに。。

我々もせめてNovelbrightやマカロニえんぴつやオレンジスパイニクラブとかをしっかり聴いた上で、「オレンジレンジ最強!」と言いたいものです。

 

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  • アーティスト:Novelbright
  • 発売日: 2020/05/27
  • メディア: CD
 

 

たりないふたりの話もしていました。もう何度も話していますが、たりないふたりさよならバージョンを聴いた山ちゃんが「若林の方が文字数多かったな」と詰め寄ったというクズい話は何回聞いても面白いですね。たりないふたりたりないふたりの出会いについても話していましたが、それぞれ思っていることや行動がバラバラで興味深かったです。若様はジャケットが本家たりないふたりを連想させることに対し、「これはサンプリングっていう文化で!」とスタッフに説明。一方の山ちゃんは自身の承認欲求を満たしてくれる目的のエゴサで偶然見つけてラジオで流すという二人ともぽいな~っていう出会い方です。

 

 

終わりの方では武道館の話もしていました。そこで若林さんが言っていた「二人はまだまだ大きいところでやるんだろうけどさ」という言葉がやけに心に残っています。今まではCreepy Nutsの二人(特に松永さん)からの一方的な愛を感じていたのですが、あ、これガッチガチの両想いじゃん。最強じゃんと思いました。かつてサトミツさんのラジオで若林さんは「Creepy Nutsの二人は未来だ」と語っていましたが、その根底には圧倒的な信頼感があるのだなと思います。生き様芸人ならぬ生き様HIP HOPPERである二人の不器用ながらも今を必死で戦おうという姿に僕らが応援したくなる気持ちと同じように若林さんも過去の自分と重ね合わせて心を打たれているのでしょうか。

 

 

30代前半の頃に世の中やテレビへの不平不満を剥き出しに牙をむいていた若林さんはもうおらず、伴って顔も随分と柔らかくなりました。当時を思い返すと、今こうして同じような悩みを持った後輩に「まあそういうこともあるよな」と柔和な顔で言っているなんて信じられません。でもそれも生き様なんだなあと感じます。

 

 

若林さんやCreepy Nutsの二人がこれだけ支持されているのは、きっとラジオリスナーとの親和性が高いからなのかなと思います。決して生きるのが上手くないだろうリスナー達に同じような悩みを持った人たちが一つ一つ壁を壊していく。大げさに言うとただの希望ですね。今回、情報解禁を守らない若林さんによって、自身のエッセイの解説を松永さんが努めることが発表されました。松永さんは「あなたのように生々しく生きることを誓います」という一文を事前解禁で発表しています。この一文だけで、きっと彼らは僕らを死ぬまで楽しませてくれると思いました。