メトリブダイアリー

お笑い、ラジオ、音楽(主に邦ロック系)などサブカルなことや日常のことを書き連ねる予定です。一人でも多くラジオを聴く人が増えるといいと思ってます。

cinema staffとthe back hornの最終回のような毎日を生きていきたい

3/21(木)春分の日。僕は岐阜県にいた。この地を大切な地元として長年活動をしている「cinema staff」と彼らが学生時代から尊敬してやまない「the back horn」の対バンを観るためである。僕は両バンドとも良く聴いており、好きなバンドは?と聴かれたら真っ先に彼らの名前が思い浮かぶ。だが、お家大好き芸人で出不精の僕はそんな「夢の対バン」であっても腰は重かった。「岐阜か~東京でもやるし一箇所でいいかな」と思っていたのだが、誘われたこともあり、せっかくなので東京から名古屋まで高速バスに乗ること5時間、その後、JRで20分ほどかけて岐阜駅まで出向くことにした。

 

cinema staffはVo.飯田瑞規の喉の不調によりライブ活動を約3ヶ月間休止しており、この日が復帰後2度目のライブであった。自分としては復帰後初ライブだったので少しの緊張感を持ちつつ、ライブハウスに入ったことを覚えている。

 

収容人数は約600人。岐阜市の中心街柳ケ瀬にある岐阜CLUB-Gは元々映画館だったということ(Twitter情報)もあり、後ろでもステージがみやすいつくりとなっていた。待っている間も上述の件や好きなバンド同士のライブということもあり、やはり若干緊張していたように思う。

 

18時の開演予定時間からほど過ぎた頃、壮言で宗教チックなSEが流れる中、the back hornのメンバーが登場した。歓声が鳴り響く中、Vo.山田将司が珍しくギターを持った。

「こんばんは。The back hornです。」といつもの挨拶が終わり、曲が始まる。「情景泥棒」だ。彼がギターを持つと「異国の空」なんてレア曲を期待してしまうのはあまり良くない。その後、「シンフォニア」「戦う君よ」とアッパーで盛り上がる曲が続く。「戦う君よ」は社会人1年目のときの通勤、帰宅時の電車内でよく聴いてなんとか精神を保ってきた僕にとっての応援歌である。激しく、相変わらずかっこよかった。その後のMCでDr.松田晋二が本日のライブタイトルを「平成・・・終幕・・編」と息を切らせながら話していたがあんな激しいプレイをした直後なら当たり前だろう。まあ噛み癖のある松田さんだから平常運転なのかもしれないけどね。 

その後「ひょうひょうと」という初期の名曲や「暗闇でダンスを」という近年の大盛り上がりソングを織り交ぜ、終盤の「コバルトブルー」まで磐石のリレーで僕たちを楽しませてくれた。しかしこの日の山田将司はとにかく声が出ていた。圧巻だった。今年で40歳になるがこれからも本物のライブバンドで在り続けるんだろうな。そして最後の曲は「刃」。最後の最後、「ウオーオーオオオー」のシンガロングは僕のなかではそこそこ声を張っていた。

 

the back hornのライブが終わって数十分、「Climb The Mind」の曲に乗せてcinema staffが登場した。深々とお辞儀をする飯田が印象的だった。楽器をかき鳴らす轟音で聞き取れなかったけど多分「お久しぶりです」と一言発した後、 B.三島想平のベースから始まる「PULSE」でスタートを切った。一番のサビが終わったあたりで僕は安堵した。「よかった。ちゃんと歌ってる。」続いては「シャドウ」。嫉妬を歌にした醜いけど綺麗な印象の曲。彼らの特徴でもあるエモさが存分に出ている。そして「AIMAI VISION」。結成当初に作られた青臭さを感じる曲で、この辺で泣きそうになったのだが同行者もいたのでグッと堪えた。4曲目はレア曲「実験室」。ラスサビ前2本のギターが絡むアルペジオはいつまでもみていられる。ここで一旦MCに入り、3ヶ月間休みにしていた話をしていたのだが、僕は正直この4曲でお腹いっぱい。もうありがとうございました、どうぞ喉をいたわってください、今日は終わって大丈夫ですとこの時点で本気で思うほど素晴らしく満足のライブだった。

後半は新曲も登場し、この休止期間もただ休んでいたわけではない、しっかりと進んでいるということを感じることができた。昨年出した「first song(at the terminal)」というとんでもなく複雑な曲も演奏された。演奏は複雑ながらもサビはキャッチーで聴きやすいというTHE・シネマといえる曲だ。この日披露した新曲を除くとこの曲が最新なのだがその最新曲が今のcinema staffの中で1,2を争うほどカッコいい。カッコいいという感情は完全に主観だけど、10年続いているバンドでこれは本当にすごいことだと思う。普通は昔のあの曲が一番カッコよかったよねって言われがちだから。

ライブ本編は地元サッカーチーム「岐阜FC」公式テーマソング「HYPER CHANT」で一旦終演。拍手が鳴り止まぬ中、アンコールで再び現れた彼らは久々の地元でのライブに満足そうな笑顔を見せていた。そして我々に感謝の気持ちを告げると飯田がギターをかき鳴らす。「drama」だ。一昨年の日比谷野外音楽堂で行われたワンマンライブのED曲として流されていた最後の曲として相応しい一曲。「シャドウ」と同じアルバムだったが、個人的にはそこまで好きな曲ではなかった。だが、曲の持つ明るさと希望、「最終回のような毎日を生きていきたい」という前向きな歌詞がこの日の心情にがちっとはまり、気付くと目の前がにじんでいた。とっさに壁を向いてごまかす。ちなみに3日後の東京のライブではアンコールが「GATE」だった。良い曲だけど岐阜で「drama」に心を奪われた僕は終わった後「drama聴きたかったわー」と思わず言っていた。

 

ライブ終了後、近くのバル的なところで飲んでいたらさっきまでステージで歌っていた飯田が入ってきた。「え?」僕たちのすぐ傍を抜けて奥のテーブルに座る。その後続々と両バンドのメンバーが入ってきた。どうやら同じ店で打ち上げを行うようだ。そしてシネマふぁんなら誰もが知っている乾杯前にGt.辻友貴が一言言いかけたところで三島が「カンパーイ」と被せるお決まりのシーンを生でみることができた。さすがに話しかけることはできなかったけど、今度辻君のお店「えるえふる」に行って今日の事を話せるといいな。

今思えば最初はちょっと迷ったけど岐阜まで来てよかったと思う。仕事とかを気にして翌日に響かないようにとか思いがちだけど外に出ることって大事だな。また岐阜にも来よう。花粉にだいぶやられたから今度はこの季節以外に。f:id:himizux:20190402205220j:image