メトリブダイアリー

お笑い、ラジオ、音楽(主に邦ロック系)などサブカルなことや日常のことを書き連ねる予定です。一人でも多くラジオを聴く人が増えるといいと思ってます。

#このラジオがヤバい 的なやつ〜親戚のおじさんのオチもない話 銀杏BOYZ峯田和伸とサンボマスター山口隆のオールナイトニッポンZERO 10月19日〜

ニッポン放送のミュージックウィークを締めくくる最後の放送は銀杏BOYZ峯田和伸さんとサンボマスター山口隆さん。モテない男の代弁者的な曲を衝動的に"歌う"というより"叫ぶ"ことによって聴き手の心を震わせるという特徴を持つバンドのフロントマンである2人です。

彼らが台頭したのは2000年代前半。銀杏BOYZは青春パンクのトップランナーとして多くのファンを獲得し、サンボマスターは「電車男」の主題歌「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」で一躍有名になりました。当時は20代そこそこで若手の勢いあるバンドという位置付けだったでしょうが今ではすっかりベテランバンド。

You Tubeのコメント欄では「昔とは変わっちまった」的な古参ぶったクソ寒いコメントもちょくちょく見受けられますが実際そうなのでしょう。というか、40超えて20代と同じことできる人なんていないと思うので至極当然な現象だとは思いますが。

 

 

そんな2人の放送を聴いて思ったことはとにかく聴きづらい笑。

それはなぜかというと峯田さんは山形県出身で山口さんは福島県出身。2人とも東北訛りがきついのです。何も知らない人が聴いたら東北のローカルラジオで音楽好きなおじさん2人が好きな曲をかけて口喧嘩しながらお互い好きなことをダラダラ喋っているだけと思うでしょう。東北出身ではない僕はその訛りに慣れることに少し苦労しました。

逆に言えば東北の人が聴けばすんなり聴けるどころか懐かしさすら感じられるかもしれません。

 

 

肝心の内容はというと、やっぱり仲の良い東北のおじさん2人が休みの日にどっちかの部屋で好きな音楽の話や、今何してるのかとか昔の話とか女の話とかしてるだけで芸人や若手のタレントみたいにここで振ってここで笑いとってここで落とすみたいなものはありません。現に山口さんも「もうCM?あと5分あと5分」「ここで締めて?ちょっと待って」など衝動的に喋りたいことをその場で考えて喋っている感じ。いつも慣れている達者なレギュラー陣のラジオを聴いている身からすると、とても新鮮で同時にいつも当然のように進行しているラジオの構成も簡単ではないということも改めて分かります。

 

サンボマスター 究極ベスト

サンボマスター 究極ベスト

 

 

トークの合間合間でお互いが持ち寄ったレコードをかけて、その曲にまつわる思い出やエピソードを語り合うのはミュージックウィークの大トリに相応しい内容でしたがトークは支離滅裂。

Todd Rundgrenのbe nice to meという曲をかけた時は

山「この曲を聴いてたのは(まさに)土曜の夜ですよ。板橋のアパートでこれからどうなってくか分からないって思ってた時にね」

峯「もうこの時点で何言ってるか分からない。どうなっていくか分からないって何よ」

山「アハハハハハ」

峯「どういうことよ」

山「この曲を聴けよとにかく」

峯「お客さんに聴かせろよとにかく。この曲に全部入ってるから。黙ってろよ」
山「おめぇも。。もう今日は許す。この曲が良いから」

しばらく曲が流れる。

山「泣くな峯田!」

峯「おめぇ知ってんのか?Todd Rundgrenの曲名をメールアドレスにしてた女の子を。知ってておめぇ流してんのか?」

山「とにかく!土曜の夜にオレは!」

峯「台無しだよ笑」

山「違うんだオレはこれを喋りにきたんだよ!どにがぐ!池袋のパルコに行った時!おめぇなら分かってくれるはずだ!あんなすごい女のヒップを見た時、オレはあぁ〜って思ってそれでTodd Rundgren・・土曜の夜中にbe nice to meですよ」

峯「だぁ〜これは良い番組だ。良いの持ってきたね」

と、なぜか分かち合う2人。山口さんは興奮しすぎです。この2人のラジオを聴くような童貞拗らせたリスナー(僕含め)には気持ちがなんとなくわかるでしょうがそれでもそうだなとしっかり理解して向き合ってくれるのは峯田さんだけでしょう。このトークから山口さんがこの曲に並々ならぬ思いを持っているのは分かりますけど…

山「とにかくみなさんね、あなたの世の救いに来てるんですよ。Todd Rundgrenが。板橋のアパートでわぁこれはヤベエって思ってた時に救われて」

峯「壊してんだよお前が」

山口さんがまだ世に出てない何者でもない頃に救われた曲がこれ。熱すぎる思いは伝わりましたが、どことなく親戚の音楽好きなおじさんが無理矢理自分の好きな音楽を聴かせようとしてくる感じがしました。。

分かったから落ち着いてよおじさんと言いたくなります。

 

Be Nice to Me

Be Nice to Me

 

↑これ。

 

だいぶ興奮していた山口さんですが一方の峯田さんのボルテージが上がる時はやはり女性の話をしている時です。

峯「有村架純がさ、ロマンない?ベランダで、ベランダで」

山「あーはいはい」

峯「仕事忙しくてね、帰って来てね」

山「分かりますよ分かりますよ分かりますよ」

峯「風呂上がりにね、ベランダ出たらこのラジオ聴いてるんだよ」

山「クゥ〜〜〜〜〜」

峯「何だろうこの声中性的な声だなってシャザムで調べたらニールヤングでね」

2人とも興奮はしていましたが、やはり女性と妄想の話では峯田さんがリードしているようでした。

番組終盤に話していた大学の終わり頃の峯田さんととある女性の話も「あー峯田っぽい」と思ったので是非聴いてほしいです。そういう思い出が一つあれば生きていけるよなと。ニッポン放送では聴けない部分なのでエリアフリーで是非!

とにかく、おじさん達落ち着いてくれと言いたいですね。

 

そんな音楽大好きモテないおじさんの2人は最後に弾き語りを聴かせてくれました。

曲はビートたけしの「浅草キッド」。この日、まだ世に出れず報われなかった頃の話を沢山してきた2人らしい選曲です。個人的にはオードリーのオールナイトニッポンの最後に流れるコーナーの曲としても馴染み深いので、土曜の夜にもピッタリで憎い演出だなと思いましたけど。

それにしても2人の浅草キッドの歌声とアコギの音とその歌詞を聴くと…この日のおじさんがよくする苦労話が伏線になっているかのような綺麗なオチでした。そのおじさんが銀杏BOYZサンボマスターなのが普通のおじさんとは違うところなんですけどね。

 

浅草キッド

浅草キッド

 

 

この日の放送を聴いて2人は確かに歳をとって丸くなったのかもしれないけれど、本質は変わってないということを思いました。音楽や時代や女性や自意識に対してこんなに熱い気持ちや劣等感を持って喋れるのがその証拠です。

 

 

この放送をもって多くのミュージシャンがパーソナリティを務めてきたミュージックウィークは終わり。この週があるが故に聴きたいラジオが聴けないと嘆くリスナーも多かったでしょうが、僕はあって良かったと思います。芸人に比べてアーティストの素の部分や普段思ってることは中々聴けないし、それをFM局じゃなくてオールナイトニッポンという最も有名なブランドラジオで聴けるということはきっとそのアーティストのことを知らない多くの人も触れることができるから。

とにかく贅沢な一週間でした。次はbase ball  bearの小出さんなんかお喋り上手いので良いのではと思いますのでニッポン放送の方石井さん是非お願いします。