メトリブダイアリー

お笑い、ラジオ、音楽(主に邦ロック系)などサブカルなことや日常のことを書き連ねる予定です。一人でも多くラジオを聴く人が増えるといいと思ってます。

ニューヨークのニューラジオ 〜永遠のネクストブレイク芸人、ブレイクしかける 12月9日放送〜

優勝候補の和牛が準決勝で敗退し、誰も知らないようなコンビ達が続々と初めての決勝に進出していった今回のM-1グランプリ

個人的に最も嬉しかったのは「ニューヨーク」というコンビの決勝進出です。ボケの嶋佐さんとツッコミの屋敷さんからなるこのコンビは、誰しもが見覚えのあると世間からちょっとズレた人たちを題材に皮肉と偏見に満ちた漫才やコントを得意としています。程よく整った?ビジュアルとトーク力にも秀でる彼らはおよそ3~4年前からネクストブレイクと言われ続け、オールナイトニッポンZEROも一年間担当。しかし、正式にブレイクすることはなく、ゴッドタンの腐り芸人セラピーでは、「ニューヨークは正統派だからそのままでいいと言われているんですが(結局売れない今)いつまでそのままでいればいいんでしょうか」という悩みを明かしていました。

そして追い討ちをかけるように、ニコニコ生放送でのパンツマン事変。世間からもバッシングを受け、彼らのSNSには毎日のように誹謗中傷のコメントが届くようになってしまいました。

近年では、ネクストブレイクと言われ続けたニューヨークを軽く飛び越える霜降り明星を始めとした第7世代のブレイクで地上波での居場所はなくなり、完全なるYou Tube芸人となってしまったように思います。

 

 

そのニューヨークの公式You Tubeで毎週日曜日に配信されているニューヨークのニューラジオでは、彼らの近況や出来事などを細々と聴くことができるのですが、今週はなんといってもM-1決勝進出についての話。

屋敷さんが「今週は僕らがM-1の決勝にいったということで少しバタバタしてますけどね」と番組内容を甘噛みしつつ話します。

二人とも「決勝進出しましたーー!」(拍手)みたいな勢いで始まるかと思ったのですが、流石に発表の日から4日ほど経過しているのでそこまでの興奮はなかったようでした。

 

今週はM-1準決勝までにどんな行動をしていたのか準決勝の裏側はどうだったのかなど他の芸人も話に登場しながらトークを繰り広げ、普段であれば二人それぞれのフリートークもあるのですがそれもなし。M-1準決勝スペシャルでお送りしていました。

 

 

そこで結構な時間を費やして話していたのはゲン担ぎや願掛けの話し。それまでとは異なるルートで会場入りしたり、いつもと違う楽屋に入ったり、他の芸人と神社に行ったりするなどしていたそう。ちなみに和牛の水田さんや東京ホテイソンたけるさんなど色んな芸人達のゲン担ぎの詳細が語られていて、芸人がどれだけ繊細な生き物なのか分かったような気がしました。

 

そして、念願の初決勝を決めた準決勝の漫才は彼らも驚くほど穏やかだったらしく、屋敷さんは「ウケてないとかじゃなくて客が止まって見えた」という不可思議な回述をしていました。

また、「ゾーンに入っていた」とも話し、会心の出来だったというよりかは落ち着いて楽しくできたという表現の方が正しいのでしょう。決勝進出者の発表時も、アツくなり過ぎず、穏やかに聞いていたところでの今回の発表。“無欲の勝利”といえます。

 

 

ずっとM-1の話をするかと思っていたところで、屋敷さんがおもむろに「川谷絵音さんの誕生日会に行ってきたんよ」と話します。屋敷さんが仲の良いさらば青春の光の森田さんの単独ライブに無償で音楽を提供した川谷さんというつながりがあるのだと思われます。もう一人、BKBことバイク川崎さんとよく行動を共にし、合コンなどで辛酸をなめ続けた「ズッコケ三人組」ですが、この日は少し違いました。

屋「バンプの藤くんがさ、バイクさんにバイクさん!オレバイクさんと同い年なんですよって話しかけててさ」

嶋「ええ~」

屋「それで二人で盛り上がってるときにRADWIMPSの野田洋二郎がお前らいちゃいちゃすんなってツッコんで。BUMP OF CHICKENバイク川崎バイクがいちゃいちゃしてRADWINPSがツッコむってどんな世界やねん!」

確かにすさまじい世界です。。

屋「まあそこですごい人らのパワーもらってきたからな」

と、やはり話の終着点はM-1でした。

 

 

2年ほど前、ニューヨークの単独ライブに当時無名だったEXITがゲスト出演していました。その時の空席が目立った渋谷の無限大ホールはニューヨークのお客さんばかりでEXITを知る人はほとんどいなかったと思います。確かに斬新で面白いネタでしたが、まさかこんなにもあっという間にメディアに引っ張りだこになって、あっという間にニューヨークを追い抜かしていくとは。

EXITブレイク後もラジオで笑いながらトークをするニューヨークを見て、なんだか切なくなってしまったことを思い出します。

「何人も目の前でブレイクするのを見てた」と、この日嶋佐さんは語っていました。屋敷さんも「ホンマに売れたい」と切実に話していたのを見るとこのM-1をきっかけに今度こそニューヨークが正式に世に出てほしいと強く思います。

 


【公式】ニューヨーク 漫才「女」

 

が、その一方で今の規模でしかできないかもしれない偏見ネタとYou Tubeのゲスい企画とラジオのトーク、単独ライブの倍率の低さなどを考えてしまうと「売れないでくれ」という邪悪な気持ちも嘘ではありません。これはしょうがないのです。

売れない芸人、バンドのファンあるある第一位じゃないかというくらいしょうがないです。

でもやっぱり、オレたちのニューヨーク、なんらかの爪あとを残してきてほしいものです。

 

ちなみに決勝進出者の発表時、各コンビの名前が読み上げられていましたが、「ニューヨーク」と呼ばれた時が一番芸人からの歓声が多かったように思います。ようやく来たか。。という芸人達の気持ちを表していたのかなと感じました。真相は分かりませんが、なぜかグッときてしまいました。それだけみんなが実力を認めているんだなと。

あーやっぱり報われてくれ。決勝では泣かせてくれ!