#このラジオがヤバい 的なやつ~金曜日の帝王(カイザー)バナナマンのバナナムーンGOLD~
TBSラジオには「JUNK」と呼ばれるニッポン放送でいうところの「オールナイトニッポン」的な枠があります。時間帯も月曜から土曜の深夜1時から3時まで。どちらの局を聴くか常にリスナーは選択を強いられてきました。
今回はJUNKから「金曜JUNKバナナマンのバナナムーンGOLD」をご紹介。金曜日といえば三四郎がオールナイトニッポンに昇格したばかりですが、彼らが果たしてバナナマンに勝てるかどうかが注目されています。
勝てずにまた3時からの放送になってもおもしろいんですけど。
バナナマンはカイザーこと設楽統とたけしこと日村勇紀によるお笑いコンビで、この枠を約10年守ってきたベテランといえる存在。そしてお互いをさんづけして呼び合い、誕生日プレゼントを贈り合うなど非常に仲が良いコンビとして知られています。
そんな二人と昔からの付き合いがあるスタッフとの信頼関係が、この番組のおもしろさを支えています。それだけに番組特有のノリや用語(メールの最後に「日村F○○K」と書かれること、日村さんが奥さんから「ソール」と呼ばれていること、日村さんの母親や同級生の名前が普通に会話に出てくるなど)が多く、初めて聴く方は慣れるまで時間がかかるかもしれません。
しかしそれを乗り越えられれば、放送内やテレビなどでも同じようなノリや会話が発生したときにニヤッとできる多少の優越感を得ることができます。
これもラジオの醍醐味の一つですね。
バナナマンは最近では乃木坂46の公式おにいちゃんとして活躍するなどポップな芸人という印象を持つ方もいると思いますが、昔はかなりブラックなネタ、シュールなネタをするコンビでした。気になる方は毎年行われるバナナマンコントライブの過去のDVDを観て下さい。2000年あたりはかなりとんがったネタです。2002年の「pepokabocha」が個人的には好きですね。
近年のコントでは毒っけが抜けて、昔からの特徴でもありますが構成やシチュエーション、二人の会話やわちゃわちゃしている感をより押し出して、ポップでとても観やすくなったと感じます。
先日の放送では、日村さんを笑わせるという趣旨で牛乳を口に含ませ、リスナーからのメールを設楽さんが読んで笑わせるという内容でした。もちろん、笑うと牛乳を噴出すのですが、これはラジオ。噴出しても、「ブハッ」という音しか聞こえません。
このようにリスナーに画を想像させるのが上手いんですバナナマンは。
かつて日村さんがオナラをするという企画でパンツに茶色い染みがついていたという伝説の回がありました・・
この「密室芸」が彼らのラジオの特徴ですね。
ちなみにラジオでのやり取りがコントに繋がるパターンもあります(日村さんがリスナーからなにかとババアかよといわれていることがありましたが、その台詞がコントでも出てきました)。
二人の日常からコントそしてラジオの全てがリンクすることで、いろんな方面からリスナーを取り込んでいるのです。
二人はそれぞれリスナーから設楽さんは「カイザー」、日村さんは「たけし」などと呼ばれています。彼らの力関係がよく表れている名前ですよね。なぜそう呼ばれているのかはもはや誰もツッコミませんが(理由はあります)放送を聴くと、なぜかしっくりくるのです。
他にもなぜかわからないけどおもしろい瞬間がこのラジオには存在します。それは長いキャリアの中でリスナーも含めた一体感が作り出しているもののではないでしょうか。
この一体感があるうちはまだまだ金曜日の帝王(カイザー)として君臨し続けるでしょう。