メトリブダイアリー

お笑い、ラジオ、音楽(主に邦ロック系)などサブカルなことや日常のことを書き連ねる予定です。一人でも多くラジオを聴く人が増えるといいと思ってます。

【進撃の巨人のEDを担当】常に最高を書き換え続けるバンド cinema staffの3年ぶりワンマンツアーに行った話。

6月1日、渋谷WWWXで行われたcinema staff “Name of Love” RELEASE ONE-MAN TOUR ~RE: land=ocean~ 初日の話です。))

 

<以下ネタバレを含みます。>

 

既にチケットはソールドアウトし、会場はパンパンの状態でした。

昨年末からVo.Gt飯田さんの喉の不調により、3ヶ月ほど活動を休止していた彼ら。活動再開後はNHKアニメ「進撃の巨人」のエンディングテーマを担当することに。先日その曲が入ったEPが発売となり、今回のツアーはそのEPを引っ提げて全国を周ることとなります。

 


今回のツアータイトルは「RE: land=ocean」。4年ほど前に発売された「blue print」というアルバムのツアータイトルは「land=ocean」だったのでその時と絡めてくるのか、どんなセットリストになるのか非常に楽しみでした。

開演時刻を少し過ぎた頃、場内が暗転してメンバーが登場します。それぞれのいつもの持ち場につくメンバーとは対照的に、上手の位置に置かれたピアノの後ろに腰をかける飯田さん。

今回、進撃の巨人のEDとなった「Name of Love」という曲は飯田さんが初めてギターではなく、ピアノを弾いているということで話題となった曲です。まさかの一曲目からくるかと思いきや、演奏されたのは先述した「blue print」の一曲目に使われているインスト曲の「陸にある海」。

まさしくland=ocean。

一曲目から驚きの演出に会場が酔いしれる中、曲が終わりギターを手にする飯田さん。Dr.久野さんの激しいドラミングから始まったのは発売されたばかりのEPから「OCEAN」。サビの『オーシャン!』がとてもキャッチーでどこか冒険心をくすぐる一曲です。後のMCで飯田さんが「Name of Loveの曲の中で最初にこの曲をライブでやったからこれが進撃の巨人のEDかと思ったでしょ?」と言っていましたがそりゃあみんな騙されます。あと歌詞的に「ONEPIECE」の主題歌とかにもピッタリなので集英社さんぜひ。

続いては「sea said」。この辺で気がつきましたが海多めのセトリなんだなと。ということはBa.三島さんがハーモニカを吹くあれも来るのかなと。思いました。

海・海・海と三曲続けた後は久々に聞いた感のある「theme of us」。イントロが始まった瞬間に「タン・タタ・タン」とクラップが鳴り、シネマの中でも屈指のポップなメロディーと一体感を持つこの曲で序盤の海シリーズを締めていました。

 


cinema staff 「theme of us」MV(major 2nd full album「Drums,Bass,2(to)Guitars」opening track)

↑無駄に脚が綺麗な飯田氏

 

「楽しんでください」と少しのMCを挟んだ後に演奏された「into the green」はそれまで青のイメージが強かったセトリに対して、その色を大きく塗り替えたような緑を象徴する曲。そんな緑な曲のアウトロが終わり、久野さんのドラミングが始まります。

そういえばこの日は久野さんのドラムで曲間を結ぶことが多く、既存の曲も新鮮な気持ちで聴くことができました。

続いての「シャドウ」もこのアレンジで今までとは全く違う印象になっていたように思います。嫉妬をテーマに書いた曲であり、ラスサビで半音上がって音の洪水のようになるところが相変わらず、泣けます。

 


cinema staff「シャドウ」MV(4th full album「blueprint」 lead track)

 

シャドウが終わっても久野さんのドラミングは続き、テンポも落ちて、少しメロウな雰囲気になっていきます。Gt.辻さんと飯田さんのアルペジオから始まったのはなんと「妄想回路」。インディーズ時代の名曲であり、個人的にも大好きな曲ですがまさかこの日に聴けるとは。本当に綺麗な演奏と綺麗な声なんです。この日僕が最もテンションが上がったのはこの瞬間でした。ぜひ聴いてほしい。必聴です。

 

Symmetoronica

Symmetoronica

 

↑これに入ってます。


感動の妄想回路が終了し、MCタイムへ。

飯「ゆっくりの曲が続いたから激しめの曲やるね」

と言って演奏されたのは、「西南西の虹」。続いて「poltergeist」。Poltergeistでは外し忘れたまま歌い出してしまった飯田さんのカポを辻さんがニヤニヤしながらとってあげるというライブならではの出来事も。その後はお約束のダイブもかまして大満足の辻さんでした。続いての「dawnrider」は辻さんのギターリフから始まる疾走感しか感じないアップテンポな曲。久々に聴いたけどカッコいいですわ。

 


cinema staff 「西南西の虹」MV

 

今回発売したEPの中で最も謎に包まれた曲「さらば楽園よ」はその次に演奏されました。辻さん、飯田さんの複雑なアルペジオが綺麗な楽曲です。正直言うと、個人的な最近の忙しさにかまけて新譜をインポートしておらず、さらば楽園よのみ、この日初めて聴いたことになります。

ただ、このEPの中ではこの曲が一番好きかもしれません。ミディアムテンポで切ない泣きのメロディーは聴いているこちらの涙腺を刺激します。どこか日本ぽい雰囲気も感じられるのも推せるポイント。Cメロの展開はjpopを聴いてきた人ならすっと入りやすく、胸に響くものがあると思います。

帰って速攻インポートしました。


続いてもシネマらしいミディアムテンポの美しい曲が続きます。

「warszawa」「firey」といったレア曲を挟み、ついにきました普段はアンコールで演奏されることが多い(今日もアンコールかと思った)「海について」。

7分を超える大作であり、変則チューニングのカポ9くらいの変態曲。やたら手数の多いドラマとハーモニカを吹くベースと間奏でタッピングと高速アルペジオを弾く二人のギター、そして憧れの海について情緒溢れるメロディーで歌い切るボーカルと魅力が詰まりに詰まった一曲です。

改めて聴くと泣ける。


大作の後はMCの時間へ。

飯「今日のセトリは久野くんが考えました。コンセプトをどうぞ」

久「そういうのバラしちゃうの?笑。一応ツアータイトルに合わせて海の曲を多めにしました。やってて思ったけど超いいよね」

飯「cinema staffって年々良くなっていくよね(手を斜めにしてぐいぐいする)」

飯「あとこれあんま言ってない気がするけど実はfireryとdawnriderも進撃の巨人の曲の候補になってたからこっちがEDになる可能性もあったんだよね」

久「あんまり言ってないんじゃない?」

飯「そのあとdawnriderがモンスターハンターのアプリの曲になったからあんまり言いづらくなっちゃったけど。まぁでも書き下ろしって言ってないから」

久「あんまり言わない方がいい」

飯「別に大丈夫だよ。誰の顔色も伺わなくていい」

そんなキレキレの飯田さんは最後に「知らない人もすぐに歌えるから」と言い放ち、「HYPER CHANT」をプレイ。「オーオオオオ!オーオオ!オーオオオオオ」とシンガロングが起こる彼らの地元のサッカーチーム、FC岐阜の応援ソングです。

フロア全体で一体感を纏った後は「first song(at the terminal)」でヒリヒリするような演奏と変拍子で観客を魅了します。

 


cinema staff「first song(at the terminal)」undivided Ver.

 

そしてライブもクライマックス。アニメ進撃の巨人第一期のEDであり、新EPにも2019年バージョンとして収録されている「great escape」で会場を「混ぜた」後、飯田さんはギターを置き、ピアノの後ろへ。”進撃の巨人EDリレー”であり、EPの表題曲「Name of love」をプレイ。休養していた3ヶ月の間で身につけたピアノをたどたどしい部分も見せつつ、弾き語る飯田さんめちゃくちゃカッコよかったです。

きっとツアーを周るうちに上手になっていくんだろうなとおそらく初披露となる貴重な姿を拝めたことに感謝しつつ、本編は終了。

 


cinema staff「Name of Love」MV(Short ver.)

 

当然のごとく求められたアンコールは少し時間を置いて、飯田さんと久野さんが登場。おなじみの久野さんによる缶ビールの蓋をエコーをかけたマイクに近づけて開ける儀式と物販紹介をし、アンコールの曲へ。

飯田さんが「チミタチに捧ぐ。。あ、これ言わなきゃよかった」と最後の最後でこけるも

三島さんが「オレ喋ろうか?チミタチで曲行きたくないから」とすかさずフォロー。

三「久々に喋るな」

たしかにすごく久々に聞きました三島さんのMC。

初期はほとんど彼がMCをして、徐々に飯田久野MCへシフトチェンジ。数年前までは大事なところは三島さんが話して曲へというパターンでしたがここ最近は全くと言っていいほど話さなくなってしまいました。

もう「岐阜県からきましたーー!」すら言わない。

 

三「昔はワンマンよりも対バンのほうが好きだったんですよ。その方が燃えるじゃないですか。でも今はワンマン大好き(笑)。休養していた3ヶ月の間、飯田君がキーボードという武器を手に入れてくれました。俺たちは毎日が最終回でもいいと思って生きている。俺たちがスーパーマンだ!」

と話してプレイされたのは「blue print」のリード曲「drama」。

正確ではない気がしますが、三島さんのこのクサいMCがいいんですよ。

ワンマンでしか話さなくてもいいからMCやってほしいです。

ちなみに次の日のタワーレコード渋谷店のインストアライブではチューニングが決まらない飯田さんに対して渋い顔をした後、「チューニングくらいちゃんとせえや」と言っていましたが。

 

ちなみにちなみにアンコールを終えても拍手を止めない観客。そこへ飯田さんが会場に一人で登場。「お茶を濁して帰るね」と呟いてピアノを弾き語り出します。こちらも「blue print」に収録された「孤独のルール」です。途中で「濁した!」と言ったようにやはりまだ危うい部分もありましたが、見事に完奏。

万雷の拍手と共に終演となりました。

 

久々のワンマンツアーであり、ワンマンライブ自体いつやってたっけ?と思うほど記憶がないですが対バンではできないような曲も演奏され、大満足でした。このツアーは多分もう行けないですが、追加公演をぜひお願いしたいです!

 

新譜の「Name of love」に収録されている3つの新曲はどれが進撃の巨人のEDになってもおかしくなかったと話していましたが、それほどまでに自信を持った曲でしょうし、実際どれもらしさが詰まっていてカッコいいです。

そして、喉の不調で休養というかなり大きなピンチを、ピアノという大きな武器を手にして帰ってくるところも素晴らしい。飯田さんは「俺らまだまだやれることがある」と話していましたが、こうやって言い切れることはすごいことだなと。

このバンドでやりたいことはやり尽くした、次のステップに進みたいといって解散するバンドは多く、その実際は本人達にしか分かりませんが、僕が好きなバンドはこんなに前向きなことを言える人たちなんだと、そのファンであることに誇りを持つことができます。

今話題の旬のバンドのようにミュージックステーションに出演したり、フェスのメインステージに出たりというようないわゆる“売れる”ことはもうないかもしれませんが、そのままブレずに、愚直に、突き進んでほしいなと思います。

なぜなら新曲を出すごとにいいなって思えるバンドってもう僕の中では少なくなっているので。

 

飯「カッコいいバンドか観たくなったらぜひcinema staffのライブへ」

マジでその通り。

“年々よくなる”cinema staff

カッコいいです。

 

セットリスト

1.陸にある海
2.OCEAN
3.sea said
4.theme of us
5.into the green
6.シャドウ
7.妄想回路
8.西南西の虹
9.poltergeist
10.dawnrider
11.さらば楽園よ
12.warszawa
13.firey
14.海について
15.HYPER CHANT
16.first song(at the terminal)
17.great escape
18.Name of love
アンコール

19.drama

ダブルアンコール

20.孤独のルール(飯田弾き語り) 

 

Drums,Bass,2(to)Guitars (初回限定盤 CD+DVD)

Drums,Bass,2(to)Guitars (初回限定盤 CD+DVD)

 

進撃の巨人一期EDのgreat escapeが入ってるアルバム。

 

blueprint

blueprint

 

↑land=oceanといえばこれ。