メトリブダイアリー

お笑い、ラジオ、音楽(主に邦ロック系)などサブカルなことや日常のことを書き連ねる予定です。一人でも多くラジオを聴く人が増えるといいと思ってます。

#このラジオがヤバい 的なやつ〜細い時代になったのは芸人だけじゃないぞみんなそうだぞ! オードリーのオールナイトニッポン10月5日放送〜

たりないふたりの5年ぶりの復活、ラグビー日本代表の躍進、次週のスペシャルウィークなど話せそうな話がたくさんあった先日の放送。

開始直後の、オードリーは本番前に喋らないという評判を受け、収録が終わった後に共演者をご飯に誘うミニコントや若林さんのジムの話、春日さんの933と村西とおるの話など秀逸なトークが多かった放送でしたが、個人的に印象に残ったのはオープニング後半からエンディングにかけて話していた予定調和と自己と他人のチャンネルに関するトークでした。

 

 

ある番組で野沢雅子さんのモノマネでお馴染みのアイデンティティと共演した若林さんはある違和感を感じたそうです。

若「二人って仲いいの?って聞いたら友達としては最高だけどビジネスパートナーとしてはうーんって。そういうコンビいるなーって思ってさ。ボケの人の指示を10割聞いているというか相方の合格点を狙ってるっていう」
春「だからそのー相方のリングで戦ってるってことでしょ?」
若「そう」
春「フフフフ」
若「三浦くん(アイデンティティ野沢雅子じゃない方)は今楽しい?って聞いたら全然楽しくないですって」
春「いやいやいや」
若「それがめっちゃうけたの。でも田島くん(アイデンティティ野沢雅子の方)が笑ってなかったのよ。それで平子くん(アルコ&ピース)に振ったらあんまり芳しくなくて。平子くんってそういうのいじるの好きじゃん」
春「うん」
若「で、色々聞いたらその問題は太田プロでは非常にアンタッチャブルなとこなんだって」
春「ハハハハ」
若「二人はめっちゃ仲いいんだけどお笑いに関しては真面目なんだろうね。みんなでいじろうとした時期もあるんだけどそういうホントのホントの部分だと盛り上がらないじゃん」
春「だから~受けられないとね本人がね」
若「収録中にもこのやり取りはやだ?って聞いたらやだって言うのよ」
と、若林さんとしては若手芸人のはねそうな部分を見つけて膨らまそうとしたようですが、アイデンティティ自身も上手く処理できない核心中の核心をついてしまったようです。

 

アイデンティティ

アイデンティティ

 


さらに
若「お笑いってすごいよな。こないだのキングオブコントのさ、GAGの市役所に比べるとお笑いは異常な世界だなって言うセリフが心に残ってて。バラエティ病というか、日向坂で、ぐるぐるバットでぶつかったら俺とか春日はさナイスな取れ高って思うじゃん」
春「そうだね」
若「でもそういうゲームで上手くいかずに泣いちゃう子もいるじゃん」
春「うん」
若「でもオレらは色々考えちゃうじゃん。これは本来変なんだよね」
若「春日くらいの中堅芸人がやるおざなりのリアクションってつまんないじゃない」
春「失敬だな!」
若「アメトーーク!で久々に春日と一緒になったけど、春日を脅かすって言われてる若手芸人が出てきて、春日に振られた時お前寒気がしましたって言ってたけどあんなおざなりな返しあるか」
春「おざなりってなんだよ!」
若「あんな猛者たちがいる番組で番組の構図と意図を汲んで寒気がしましたはちょっとな」
そして別番組の話も。
若「レンコンを取るってだけでさ、この世界10年以上いるやつがそんなにテンパるかな?泥だらけでホース振り回すかな?」
春「不思議だけど失敗して泥だらけになるんだよね」
若「カメラが遠いところにあってさ、今からレンコンを取りに行きます!いや遠いなーって言いながらさ、バンってなってこれ以上は春日さんの名誉のためにとかってナレーションが流れながらVが切られるのがほんとに予定調和すぎてヘドが出るよ」
若「ハラハラさせたいよお前を」

かつて、こいつやってんなというコーナーを作って、芸能界や世の中の“ヤり”について根こそぎ晒し首としていたオードリー。しかしその後、若林さんの「もうさ、このコーナーやめない?やってるとかやってないとかもうどうでもいいじゃん」という一言で本当にコーナーが終了してしまいました。自分が率先して使っていたのにずいぶん勝手だなと思いましたが、確かにこれはやってるこれはやってないという論争って今思い返すとなんか虚しいしそれこそどうでもいいなと感じます。

ただ、冗談半分のようにも聞こえましたがこのトークを聞く限り、お約束、予定調和が嫌いな若林さんは健在です。

 


そしてエンディング。
若「先輩の番組でボコボコいじられてこんなんで良かったのかなって思いながら帰るようにはしたくないなって。番組的には面白いんだけどその人が撮りたい感じなのかなって思うとね。難しいねでもそこをやらないとだしな」
春「そうだね」
若「人間のものごとの認知ってくせがあるから受け身とっちゃけば盛り上がるのにわからないから取れなかったりして」
若「ケイダッシュで同期でやめっちゃったやつも後で話聞いたらほんとにいじられるのがストレスだったんだなって言ってたね」
春「そこで飯食ってるわけではないからね」
若「アメトーーク!で春日がギャグやってた時、コメント求められて、めちゃくちゃスベってたって言ったら愛がないし時代に即してないって思ったから感動したって言ったらオレがめちゃくちゃすべったんだよね」
春「ハハハハまあすべったというかね」
若「だからオレはアメトーーク!ではそのキャラじゃないんだよね。しくじり先生なら吉村と澤部がつっこんでくれるんだけど」
春「周りからの見られ方とかねあるから」
若「そうなの。春日の横のちょっとしっかりしてるやつっていう認識だからな。あのチャンネル合わせは難しいな」
若「細い細い!細い時代!頑張ろう!」

といったやりとりが続いていました。
そういえば昔は度々若林さんの社会や業界特有のクセへの苦悩をこの番組を使って思う存分吐き出していたと記憶しますが、それは社会人大学に入りたての頃。今や飲み会もゴルフもガンガン行っちゃうおじさん芸人はこの日の冒頭のように中学生に戻ったかのようなくだらないミニコントを春日さんと繰り広げることが多くなっていたので、久々になんだか懐かしい気持ちになりました。
そしてナナメは暮れたとはいえ彼もまだまだ苦悩することあるんだなと不思議と嬉しい気持ちにもなりました。

 

ナナメの夕暮れ

ナナメの夕暮れ

 


芸人を引退してサラリーマンになった若林さんの元同期の話もでていましたが、これはサラリーマンにも関係ある話です。人間誰しも、他人にいじられたくない部分はあると思いますが、そんな部分はない方が人間関係円滑にいくはずです。いじるのが好きで得意な人よりもいじられるのが好きで得意な人の方が愛されるし、ストレスも少ないでしょう。人から罵られたり、怒られたりする場合、SとMならMの人が無敵なのです。

 

アイデンティティの件やエンディングトークでは他人から何を求められているか、どんな目で見られているかというような話でしたが、これも仕事をしていく上でも生きていく上でも必要なことです。クライアント、お客さんが求めている仕事をしなければならないし、他人の認識から外れたことをやってしまうと変な目で見られてしまう。

生きづらいですね。本当に細いですよ時代が・・

 

こうやって笑いだけではなく、自身の苦悩や生き様を、日々苦しんでいるであろう我々低カーストのリスナー達にもさらけ出す。これがこのラジオがここまで人気になったひとつの要因だったなそういえばと思いました。

 

奇しくも10年前の10月から始まったこの番組はこの日から11年目を迎え、その節目のタイミングでこうやって昔の気持ちを思い出させてくれました。

なんたるノスタルジック。

時代はどんどんと細くなり、あの頃よりもしがらみやめんどくさいことも増えましたが、そんなん自分だけはないと言い聞かせ、時には予定調和をぶち壊しながら這いつくばっていくしかないようです。