メトリブダイアリー

お笑い、ラジオ、音楽(主に邦ロック系)などサブカルなことや日常のことを書き連ねる予定です。一人でも多くラジオを聴く人が増えるといいと思ってます。

オードリーのオールナイトニッポン 〜この結婚は進化だ 11月23日放送〜

オードリーの代表ネタである漫才「デート」は、そのつかみに「芸人なんてやってもモテないですから」「デートなんかしてみたいなと思うんですけれども」と恋愛に対してネガティブな発想をする若林さんと「オレはお前と違ってモテる」と豪語し、「じゃあデートとかしてくれる女の人いるのかよ」という若林さんに「いるといったら嘘になるな」という今考えれば完全なる嘘をついていた春日さんの二人が織りなすコンプレックス丸出し漫才でした。

本当にモテなかったわけではないと思いますが、違うベクトルでねじが外れている二人は、周りの芸人が結婚していく中、10年間独身を貫いてきました。

 

その間、オードリーはモテないイケてない人間関係不得意で自意識過剰な気難しい性格のリトルトゥースの良き代弁者として君臨し続け、辛いことがあれば土曜の深夜に二人の“負け”の話を聴き、我々はその都度、自分の姿に重ね合わせては、なんとか精神の安定を保ってきました。

 

オードリー DVD

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2019年に入り、日本武道館という1年がかりのイベントを成功させた彼ら。ラジオでも毎週のように話していた一大イベントが終わり、少しトーンダウンしたかと思った矢先に、春日さんが93番ことクミさんとめでたく結婚を果たします(そしてあの忌まわしいフライデー事件も・・)。

6月には若林さんの”たりない盟友“南海キャンディーズ山里さんが女優の蒼井優さんと結婚し、それがきっかけで、11月に5年ぶりの「たりないふたり」ライブが行われました。

このライブが決定した頃から若林さんは、ラジオで「嫁が見える」「声が聞こえる」という不可解な発言を繰り返し、リスナーと春日さんを困惑させていました。

 

 

そして、今週の放送でもいつもの様に冒頭から「嫁がいる」と発言。春日さんが「怖い」「やめてくれ」とつっこむものの、若林さんは止めません。

若「婚姻届っていうのを初めて書いたんだけどさ、あれって一緒に住んだ日と結婚式やった日って書くんだね」

春「そうそうそうよ。私は書かなかったけどね」

それまでと違い、やけに具体的な話をする若林さんに、リスナーと春日さんは別の恐怖を感じるようになっていきました。

(あれ・・これマジじゃね?)

ラジオを聴いているリスナーが感じている気持ちや困惑を一緒に春日さんも感じているのが新鮮でした。

遂に、9割方謎が解けそうになっている春日さんに若林さんはここ最近勝手に流行らせている「作文」を読ませます。

小学校3年生の体で作文を読む春日さんは、「9:1で本当に結婚しているのではないか」と語りました。

若「春日君、9:1で結婚しているって言ったね。それ、10にしてください。。行ってきなさい」

春「ワーーーー(校庭へ駆け出す)」

結果的にはこれがネタバラシとなりました。

 

 

「やってくれたな」と春日さんは言っていましたが、それはリスナーも同じ気持ちでしょう。こんな巧妙な手口を使用して、さらっと結婚を発表するなんてかっこよすぎです。自分も使いたいくらいです。

 

この日の放送は完全に「若林結婚スペシャル」で、二人の出会いから、どんな理由で結婚を決めたのか、奥様の人となりや両家顔合わせの印象、周囲の芸人、スタッフに報告した様子など惜しげもなく、可能な限り披露していました。

こんなに幸せな深夜ラジオも珍しいです。

これを惚気と取ることもできますが、最初の報告はリトルトゥースにしたいという彼なりの誠意とも取れます。さすが、築地(の隣)下町育ちは人情味に溢れています。得意の情報解禁前に色々発表しちゃう芸もこの日のためのフリだったのではないかと思うほどです。

 

 

冒頭の話に戻りますが、オードリー(特に若林さん)が独身でこじらせているというのはこの10年間、至極当たり前のように存在していました。

さらにそのカワウソフェイスで女性ファンも多く、今回の件で喪失感を感じた方も多くいるでしょう。南沢さんとの一件もありましたが、当分こんな話はないかなと思っていたところでこの電撃婚です。

自分は男なので「へ~良かったね」というような感想で終わるかと思ったのですが、意外とダメージというか何かが引っかかっているような気がしていて、とても不思議な気持ちです。

 

 

それはうだつの上がらない自分の10年来の良き理解者、代弁者を失ったという気持ちとは少し違って、若林さんが変わってしまうのではないかという怖さと寂しさなのかもしれません。

男のくせにネガティブな感情はあります。ただそれと同時に、喜ばしい感情が芽生えているのも事実です。テレビやラジオや書籍などから表現される彼の言葉に多大な影響を与えられました。社会に適応できず、友達もできなかった自分に生き方を教えてくれたのは若林さんです。

この結婚も、社会に生きづらさを感じる自分のような人間に新たな道を作ってくれたと思いました。

というか話したこともない芸能人の結婚にこんなにも心揺さぶられてしまうとは。。

 

 

それにしてもオードリーが結婚して魚をよく食べるとか両家顔合わせがどうとか結婚あるあるを語り出したら終わりだと思っていたし、つい一年前は考えられなかったのに突然その時、訪れました。

置いていかれた感を感じてしまうのは当然でしょう。分かります。急すぎて心の準備ができていない心境も分かるのですが、それは若林さん達の都合と意向もありますからね。。 

リトルトゥースには最大限の仁義を通し、遂に年貢を納めた若林さんは、きっと変わるし、変わったように見えてしまうはず。

しかし、当初人見知り芸人としてピンで世に出て以来、自身をたりないと称し、その社会不適合さを書籍化して日本中に広めては散々ひねくれた挙句に「ナナメの夕暮れ」で壮大な”更正“を果たすなど、この10年で確実に変化しているんですよね。そしてその変化した様は悉く面白い。

これは変化ではなく進化ではないかと思っています。若林さんの書籍にも「何歳になっても昨日より伸び代が広がることがある」とありますが、それを今、実現しているのかもしれません。

だからきっと、このLv.41で次の進化を果たし、ますます強くなっていくんじゃないかと期待せずにはいられないのです。

 

 

あとはこの事実に山里さんが快く迎え入れてくれるのか、それとも「オレより祝福の声が多かった」などと相変わらずの下から関節技を決めにくるのか。とりあえず周りの芸人の反応を楽しみたいと思います。